Vol.6 新連載「あのネギ」/ 日本SF大会「リリックとしてのSF」レポート

編集チームで温めてきた隠し球「あの丘でネギラーメンを食べている」の連載開始です！　

V系SFの店 2024.07.12

　V系SF通信Vol.6をお届けします。

　まず1本目の記事は、日本SF大会やねこんRで行った企画「リリックとしてのSF」について、登壇者の一人である渡邉から簡単にレポート。

　そ・し・て……！

　編集チームで温めてきた隠し球「あの丘でネギラーメンを食べている」の連載開始です！

第62回日本SF大会やねこんR企画「リリックとしてのSF」レポート（渡邉清文）
TasteBads 純連、スパ王の「あの丘でネギラーメンを食べている」
　第0回　MonksHoodからの紹介状（安斉樹）

　7月6日, 7日に長野県白樺湖畔のリゾートホテルで開催された、第62回日本SF大会やねこんRに参加しました。全国から数百人の参加者が集まって行われる、宿泊型のSF大会です。

　SF大会の開催中は、いくつもの企画が同時進行します。宴会場から広めの客室まで使って、作家、翻訳家、編集者、評論家、何らかの専門家やファンなどによるトークが行われ、またディーラーズルームでは古本や新刊、同人誌の販売が行われます。

　渡邉は、「リリックとしてのSF:詩歌・音楽・フィクションの言葉」という企画に登壇しました。客室の畳に座っての進行のため、壇は無いのですが。出演者は作家・文筆家で、V系SFが立ち上がるきっかけをつくった人でもある、司会の河野咲子（「水溶性のダンス」、『漆黒の熱量』収録「窓だらけの寝室」）、書評家・翻訳家の鯨井久志（ジョン・スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』）、作家の猿場つかさ（「海にたゆたう一文字に」）、そして私・渡邉清文の4名。

　SFのなかにリリックがあり、またリリックとしてのSFがあります。SFをうたうリリックがあり、あるいはSFと読めるリリックがある。両者は互いが互いを擬態しながら、形式においても題材においても相互貫入しています。それらはずっと昔から関係しあってきたに違いありませんが、最近とりわけ目立っている状況のあれこれも見逃せません。
　本企画では、SF小説中の詩や音楽の紹介のほか、出演者の偏愛や創作実践にもとづいて、音楽の中のSF、あるいは詩で書かれたSFやSF詩について語ります。

「リリックとしてのSF」当日配布資料

　80分ほどの時間で、SFと詩、SFと音楽について各々が偏愛する作品について語りました。また、活動紹介として、このV系SFについて話をさせてもらいました。詩や音楽を題材にしたSFも、SF的な世界観をもつ詩や音楽も、じつのところこの世界には溢れています。ヴィジュアル系にSF的な楽曲が多いことは皆さんご存知でしょうが、そのほかのJ-POP、J-ROCKの中にも溢れています。短い時間の中で語ることができた詩や音楽はごく一部ですが、ほかの出演者から初めて教えてもらったものも多く、とても楽しく話ができたと思っています。
　夜遅く、11時からという時間帯にも関わらず十数名のかたが部屋を訪ねてきてくださり、一緒に楽しい時間を過ごすことができました。
　当日配布した資料は、下記リンク先の記事から読むことができます。ぜひ、ご参照ください。

　河野咲子「資料公開：リリックとしてのSF:詩歌・音楽・フィクションの言葉（日本SF大会）」